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富山の河川1:常願寺川治水の歴史と不動産。これは川では無い、滝だ!

 

富山で暮らしていると、立山連峰が「背景」じゃなくて「日常」になります。
そして、その立山から日本海へ一直線に駆け下りていく“もう一つの日常”が 常願寺川

昔から語り継がれる有名な言葉があります。
「これは川ではない、滝である」
常願寺川を見たオランダ人技師ヨハニス・デ・レーケが、明治に視察したときの言葉——とされています。

ただしここ、富山の良いところ(=正直なところ)で、研究紀要では「デ・レーケが発言した証拠となる文献は見つかっていない」とも書かれています。
つまりこのフレーズは、**“事実として断定”というより、常願寺川の性格を言い当てた“伝説級の比喩”**だと思うのがちょうどいい。

でも比喩じゃなく、構造がもう滝っぽいんです。


なぜ常願寺川は「滝」っぽいのか?—数字がわりと暴れてる

常願寺川は、幹川流路延長が約56kmと一級河川としては短いのに、源流と河口の標高差が約3,000m。平均河床勾配は約1/30という急流です。
短距離で一気に落ちる=水が速い=削る力が強い。
さらに流域は多雨・豪雪で、年間降水量が約4,000mmに達するとも説明されています。

速い・多い・削る。
川としてのキャラが、最初から強い。


治水の原点は、江戸末期の大災害にある

常願寺川の治水史を語るうえで避けて通れないのが、安政5年(1858年)の飛越地震です。
この地震で立山カルデラ周辺(大鳶・小鳶など)が崩壊し、土砂が常願寺川上流をせき止めたことが、国交省の資料でも説明されています。

富山県側のまとめでは、カルデラ内に崩れ落ちた膨大な土砂(4億㎥)が天然ダムを形成し、その後の決壊で大土石流が下流の富山平野を襲った、という流れが記されています。
ここから常願寺川は「荒廃河川」となった——という表現も国交省の解説に出てきます。

富山は雪だけの県じゃない。
地震→土砂→洪水の連鎖が現実に起きた土地でもあるんです。


明治の大改修:デ・レーケが“下流の設計図”を描いた

明治24年(1891年)、大きな氾濫を受けて富山県はデ・レーケを招き、常願寺川の改修計画が立てられます。

この計画の肝のひとつが、農業用水の取水口を統合する 「合口(ごうくち)」
取水口がバラバラにあると堤防が弱くなりやすいので、扇頂部でまとめて取る発想です。
さらに河口の分離(白岩川との河口が一体で土砂が溜まりやすい点への対処)、引堤、堤防の改築なども含めて治水計画が立案され、工事は1893年に完了したとされています。

「滝みたいな川」を、“暮らせる川”に近づけるための、本気の土木です。


上流の土砂を止めないと終わらない:立山砂防と「水系一貫」

ただ、下流を直しても、上流から土砂が来続ける限り、暴れ川は収まりません。
そこで富山県は明治39年(1906年)から立山カルデラ荒廃地で砂防事業を開始し、その後国の直轄へとつながっていきます。

この流れの到達点として語られるのが、上流の砂防と下流の河川改修を連携させる **「水系一貫」**の考え方。昭和24年(1949年)の計画で形になった、と紹介されています。
そして象徴的な施設が、白岩堰堤。砂防施設として全国初の重要文化財指定、さらに規模も日本最大級(本堰堤高さ63m、落差108m)と説明されています。

富山の平野の暮らしは、山の上の“見えない仕事”に支えられている。これは誇っていい現実です。


ここから不動産の話:常願寺川は「恵み」と「条件」を同時に運んでくる

川が運ぶ土砂は厄介者に見えますが、長い時間で見れば平野をつくり、田畑を肥やし、街を広げてきました。
一方で、不動産の現場ではこう考えます。

  • 扇状地:土地が広がりやすい反面、土砂・水の通り道の履歴がある

  • 浸水想定:洪水だけでなく、内水(排水が追いつかない)も要注意

  • 土砂災害:山際は“距離が近い”ほどリスク評価が重要

そしていまの不動産取引では、水害リスクは「気をつけましょう」ではなく、制度としても説明が求められています。
国交省は、宅建業法施行規則の改正により水害ハザードマップ上で取引対象物件の所在地を事前に説明することを義務化し、2020年8月28日施行としています。

つまり常願寺川流域での住まい選びは、
**“川を避ける”ではなく、“川の性格を理解して選ぶ”**が正解になってきます。


まとめ:「これは川ではない、滝だ!」は、怖がる言葉じゃなく“読み解く言葉”

常願寺川は急流で、歴史的に災害も経験してきた。だから治水・砂防の技術が積み上がり、今の富山の暮らしがある。
この背景を知ると、「川の近く=ダメ」みたいな単純な話ではなくなります。

私たちカイマス不動産 ナユナズ合同会社では、物件の良し悪しだけでなく、ハザード情報や土地の成り立ちも含めて、分かりやすく整理してご案内しています。
富山の川は“滝級”にパワフル。だからこそ、付き合い方を知ると、富山の暮らしはもっと強く、もっと安心になります。

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